<グリーン電力証書って?>

    「自然エネルギーいいなぁ。」でも、どうやったら、使っている電気を自然エネルギー、 つまりグリーン電力にかえることができるの?

    家のコンセントから使う電気は、電力会社さんから買っているので、 電力会社さん「ブレンド」になっています。東京電力さんだったら、天然ガス39%、原子力33%、 石油12%、石炭9%、水力6%という「東電ブレンド」(平成17年度実績値,出所:「数表で見る東京電力(平成17年度版)」)になります。

    じゃぁ、うちに太陽光パネルを設置して、その電気を使おう!ということもできます。 でも、この場合は、パネルが標準的な3kWで最低150万円くらいしてしまいます。

    そんなお金がなかったら、自然エネルギー(グリーン電力)を使うことはあきらめなくてはいけないの?

    そこで作られたのが、グリーン電力証書です。

    グリーン電力の発電会社さんは、石油や石炭の発電会社さんより、コストがかかってしまいます。 その差額って、よーく考えると、「エコ価値」だよね!ということで、その

    • エコ価値=グリーン電力コスト−普通の発電コスト

    と考えるのです。 そのエコ価値分を、グリーン電力証書として取引できるようにしたのです。

    これまでは、大きな会社が、自然エネルギーを自前でやるより、専門の人たちにやってもらい、 そのエコ価値を買うことで、「環境報告書」に載せたり、顧客へのアピールのツールとして使ってきました。 ソニーやアサヒビール、ライブハウスのZeppなど(「グリーン電力証書システム」ご契約団体リスト http://www.natural-e.co.jp/green/clientlist.html)は、 かなりの量の証書を買って、自然エネルギーの導入に貢献し、同時に環境に配慮した企業として認知されています。

    また、「風で織るタオル」を発売し、世界的に有名になった池内タオル (http://www.ikeuchitowel.com/)では、 会社で使う電力の全部を風力発電に切り替えることを、このグリーン電力証書をつかって行いました。

    今度は、みなさんが、自分のエネルギーを「グリーン」にして、それを家族やお友達にアピールしてみてください。

    少しずつ、日本が変わっていくような気がしませんか?

<自然エネルギーとは>

    自然エネルギーとは、太陽や風や草木などからできるエネルギーをさします。
    電気を作る技術で言うと、

    1.太陽の光をつかった発電
    2.風の力をつかった発電
    3.草木や、動物の糞尿から出るガスを燃やした発電
    4.川や水道のパイプなどの水の流れをつかった発電
    5.その他(太陽の熱をつかった発電、波の力・潮の力をつかった発電)

    などがあります。

    また、電気以外にも、太陽の熱でお湯をあたたためたり、冬には外より暖かくな る地中の熱を利用したり(その反対に、夏には外よりひんやりする地中の冷熱を 利用したり)、薪を燃やして暖を取ったり。
    自然エネルギーにはそのようなものがあります。

<自然エネルギーの状況in Japan>

    日本で使っているエネルギーのうち、自然エネルギー(政府の言い方では「新エネルギー」と言って、 中身はちょっとだけ違います)は、2%しかありません。(しかもこれには廃棄物によるものが多く含まれます。) 政府の目標では、2010年までに、これを5%にまで増やそうと言っています。

    でも、その5%の内訳も、ほとんどが廃棄物発電だったり、 製紙工場の黒液や廃材の発電だったり。量としては、それほど増えそうにありません。

    では、どうして風力や太陽光やバイオマスなどの「自然エネルギー」は増えていかないのでしょうか? 温暖化ガスの二酸化炭素も出さないし、風力や太陽光は燃料費がいらないし (石油とかガスを海外から輸入する必要がなくなります)。いいことずくめの気がします。 それなのに、どうしてこんなに少ないのでしょう?

    その理由のひとつには、「値段が高い」ということがあります。 大きい発電所で一気に発電する石炭火力などは、単価が約6円/kWh(kWhというのは電気の量の単位です)、 天然ガスでは約7円/kWh、石油は約10〜15円/kWhです。でも、風力だと大規模なもので10〜24円/kWh程度。 太陽光は46〜66円/kWhもかかってしまうのです!

    では、高いからやめておこう。日本は不景気だし大変だからそんな余裕はない!のでしょうか? お父さんに聞いてみてください。「昔はなぁ、今のパソコンくらいのものが、何千万もしたんだぞ!」 そうなんです。みんなが使い始めると、どんどん安くなっていくのです。

    だから、石油や石炭、ガスを燃やして温暖化が進んだり、石油がなくなった後のことを考えるのなら、 自然エネルギーという選択肢もあるのではないでしょうか。

    でも、「変わらなきゃ」というキャッチフレーズがあったように、変わりたいなら、変わらなきゃ。